SUUNTO TRAVERSE ナビゲーションレポート
GWに登った涸沢岳の道中で使用したSUUNTO TRAVERSEの使用レポートです。
SUUNTO TRAVERSEにはGPSが内蔵されていて、予め目的地までのルートをセットすることでナビとして使う事ができます。
目的地&ルート設定
ルートの設定は標準的な手順に従うと以下の手順で設定できます。
①Movescount.com上でルートを作成
②作成したルートをSUUNTOに転送
なんですが、①でルート設定する際に使う地図データは道路がメインでいわゆる登山道はありません。ぶっちゃけて言うと登山道のルート設定にはほぼ使えません。
解決策としては、Movescount外で作成したGPXデータをMovescountに取り込む事で対応可能です。
外部でGPXデータを作成するやり方はヤマレコもしくはヤマケイオンライン上でGPXデータを作成する事が可能です。(いずれも無料)
自分はヤマレコを使ってGPXデータを作成しました。
実際に使ってみた
開始時は、スタート地点でNavigationを開始し、設定したルートを選ぶだけ。GPSの測位もすぐに完了しました。
ログを取る間隔は予め1秒/5秒/60秒を設定可能ですが、トレッキングであれば60秒で全く問題ないです。
動作中のスクリーンショットを撮っておけば良かった…
取得したログはWebページもしくはスマホアプリのMovescount上でデータを確認できます。今回の登山の結果はこんな感じでデータ表示されます。消費カロリーも表示されるんですが、異常に少ない気が。なぜ?
スマホアプリではGPSログを元に自動的にムービーを作成する機能もあります。結構かっこいいです、これ。登山後に見返してニヤニヤするにはもってこいの機能です。
今回だけではイマイチ使いこなせなかった機能もあったので、次回はもう少し色々いじってみようと思います。
北アルプス 涸沢岳#2 (5/4)
夜中に何度も目が覚める。ひどく鼻がつまり呼吸が苦しい。山小屋に着いてからひどいアレルギー症状が出ているっぽい。花粉なんか飛んでいるわけないのに何故なんだろう。外は激しい雨が窓を叩きつけ、風で窓がガタガタ鳴っている。明日は難しいかな…
5:00に起床。外は相変わらずの風雨で何も見えない。せめて雨だけでも止んでくれれば降りられるんですけどねぇ。
まぁなるようにしかならないのでとりあえず朝食を。穂高岳山荘の朝食は朴葉味噌が付いている旅館のような朝ごはん。美味いっす。
食事後ふと外を見ると、少し雨足が弱まっている気が。天気予報で雨雲をチェックするとこのエリアは既に雲が抜けているように見える。もしかして下山できる?と希望がわいてくる。下山できるよう準備だけはしておくかーなんて思っていた所、雨が止んでまさかの青空が!!
これはいい景色が撮れるかも!!テンションが一気に上がります。もしやに備えて持ち込んでいた三脚をザックから急いで取り出し、カメラをつけて急いで山小屋の外に出たら既にガスってました…山の天気はほんと変わりやすい。なお、山小屋を後にするまでガスが晴れることはなかった模様…
あんまり関係ないですが、山小屋の入り口を入った右側にある暖炉。
宿泊部屋は階段を上がった2Fです。結構綺麗です。トイレも清潔感があり綺麗でした。
Tシャツとかバッジとか手ぬぐいなどのおみやげ品も一通り揃っています。
風はかなり強いですが雨は完全に止んだので、天候が変わらないうちに下山することに。昨晩知り合った単独行メンバーのうち2名と一緒に降りることにしました。
単独メンバー1名と、熟練者2名パーティーは奥穂を目指すとのこと。これ登るのか…自分には無理です。
9:30に穂高岳山荘を出発。休憩含めて16:00前に上高地に着けば問題なしでしょう。
涸沢まではシリセードで一気に下ります。これがやりたくてここまで登ってきたのもあるしねー。ていうかシリセード無茶苦茶楽しい!途中急勾配な箇所もありちょっとした制動訓練も出来て一石二鳥。途中の山並みも非常に美しく感慨もひとしお。
30分ほどで涸沢に到着。ここで休憩がてらピッケルをしまいストックに持ち替え、横尾を目指します。
昨日と違い奥穂方面に向かう人も多いです。
北穂に向かう人も昨日はほとんどいなかったのに今日はいっぱい。
11:30 本谷橋に到着。風は相変わらず強いですが、雪もほとんどなくさっきまでのコンディションが嘘のよう。ここでアイゼンを外し横尾に向かいます。
12:30 横尾到着。いつも思うがここからが長い…でも今日は仲間がいるので精神的な疲労は殆ど無し。一人じゃないってこんなに違うのね。ここで昼食の予定でしたが、徳澤園まで頑張って昼飯とソフトクリームを食べることに。
13:30 徳澤園到着。待ちに待った昼食!あっと言う間に平らげました。
そして恒例の。
徳澤園を出て明神に向かおうとしたら、奥穂に向かうと言っていた二人組がなぜかソフトクリームを頬張っていたw
話を聞いたら、奥穂から吊り尾根まで移動したところでピッケルが刺さらないほどガチガチで風も相当強かったので山荘まで引き返して下山してきたとのこと。
…え、我々もそんなにチンタラ歩いていた訳ではないんですが。どんな脚力しているのこの方々は。超人ですな。
ここからは明神をスルーして上高地までノンストップ。15:45には河童橋に到着しました。
ここまで精神的に折れることなくこれたのは間違いなくパーティー組んでくれた2名のおかげです。ここにたどり着く事があるかはわかりませんが、本当にありがとうございました。
あとは松本までバスで移動、松本からは特急で新宿駅までというお決まりのパターン。いつもと違うのは新島々駅ではなく松本までバスだったこと。
標高3,000mはまだまだ冬山でしたが、景色は最高でした。また来年チャレンジしようかな。
【後日談】
家に帰って写真をPCに取り込み、Photoshop lightroomで現像すると何かがおかしい。画像のノイズが尋常じゃない。Exif情報を確認すると
ISO:25600
…どうしてこうなった?いつからだ?何で気付かなかったんだろう。こんなのとても印刷に耐えうるレベルじゃない。このブログに使っている写真も殆どISO25600。時既に遅し…
この瞬間、来年春の穂高リベンジが確定した。
北アルプス 涸沢岳#1 (5/3)
今シーズンの初登山は春の北アルプス。5/3早朝に上高地を出発し穂高岳山荘に宿泊、5/4に涸沢岳or奥穂に登頂後上高地まで戻り電車で帰宅のプランです。いつもの通り単独行。5/3の午後から天気が若干怪しくなるのが懸念材料であるものの気にしてもしょうがないのでとりあえず行くのです。
いつもは新宿からの高速バスで上高地に向かうんですが、今回はJR東京駅八重洲南口からのバスで上高地へ。
新宿からのグリーンカーは2+1列のシート配列ですが、今回のバスは1+1+1のシート配列でした。こっちの方が隣を気にしなくていいかも。
5:15に上高地バスターミナルに到着。軽めの朝食をとり準備運動の後、いざ本日の目的地、穂高岳山荘へGO!
5:45 河童橋と北アルプス。遠くに見える山はまだまだ雪山ですが目的地はあのあたり。遠いなあ。
6:23 明神、サクサク先へ進みます。
徳澤園へ向かう途中、夏のルートと違う梓川沿いの道路を歩いていきます。
7:05 徳澤園、ソフトクリームは帰りの楽しみにとっておく事にしてサクサク先へ進みます。
去年の秋に上高地、横尾経由で北穂に登った時はニホンザルに延べ100匹以上遭遇しましたが、今回間近で見たのはこいつくらい。
7:58 横尾。河童橋から2時間ちょい、まぁまぁのペース。此処からが本番。夏だと目標タイムは涸沢11:00着、穂高岳山荘14:00着ですがさてどうなるか…ここで1度目の休憩を挟み涸沢へ向かいます。
9:20 本谷橋へ到着。例年この時期は橋がかかっていないようですが今年は橋がかかっていました。ここで小休止がてらアイゼンを装着、上を目指します。
本谷橋から1時間ちょっと進むと遠くに涸沢ヒュッテが見えてきました!しかしここからが長い…気温が高く雪がしまっていないためあまり前に進まない。途中考えていた事は「あぁラーメンが食べたい!ラーメンが食べたい!」だけw
予定を20分以上オーバー、11:25に涸沢に到着。いつも涸沢ヒュッテで食事をとるので今回は涸沢小屋で昼食を。勿論ラーメンです♪下界ではあまりやりませんがスープも飲み干して完食。ご馳走様でした。
予想以上に疲れていたせいか1時間近く居座ってしまった。天気が崩れると嫌なので穂高岳山荘に向かいます。テントの数もGWにしては少ないような。GWに来たことないので知らないけど。
ザイテングラート取付き口付近までやっと到着。穂高岳山荘までのルートは夏とは違い、ザイテングラートの横を直登していきます。登っている人はあまりいませんでした。目視確認できる範囲で5-6人くらい?気温が上がっているせいで雪がグズグズになり全然前に進まない。はっきり言ってしんどい。
まだまだ続く…単独行はこういう時が一番キツイ。なんでこんな所来ちゃったんだろう?って悶々としてしまう。
予定を1時間以上超過、やっと穂高岳山荘に到着しました!涸沢がすごく小さく見える。これだけ登ってきたんだなぁとしばし感慨に耽る。
小屋の前で見張りをしていた岐阜県警山岳警備隊の方にお疲れ様ですと声を掛けられる。続いてかけられた言葉は
「今晩から大荒れになるので明日下山できない可能性もありますが、いいですか?」
んー、じゃあ涸沢におります!という気力はないので受け入れるしかない。そうなったらなったでしょうがない。
小屋で宿泊の受付をしていると小屋の方にも同じことを言われる。そんなにヤバいのかなぁ。
体力はあまり残っていないけど、明日どこにも行けないリスクを考えて身軽な状態で今日のうちに涸沢岳に登ることに。山小屋から20分程度で山頂なので問題ないでしょう。コンディションとしては雪と岩場のミックスルートでした。時折吹く突風が怖いものの難易度的には問題なし。
珍しくガスもかかっておらず、眺望は非常に良かったです。涸沢岳から望む槍。去年の北穂からはガスって何も見えなかったのでこれは嬉しい!
同じく涸沢岳からの奥穂方面。そういえば数日前にジャンで滑落した人がいたとか…そういえば北穂でも…
穂高岳山荘から奥穂までのルート。どれくらいカチカチなのかは分からないものの、視界不良時はちょっとヤバそうです。
小屋に戻り少し休んだ後に夕食。北アルプスの山小屋のご飯ってどこも総じて美味い!改めて見ると肉、魚、野菜、フルーツとバランスも考えられています。標高が高いにも関わらず色々と工夫しているんでしょうねぇ。
この日は17:00からの1回転のみ。夕食を頼んでいる客は8名、自炊2名の合計10名の宿泊客。GWにしては少ないような。GWに来たことないので知らないけど。まぁ荒れるのがわかっていたからみんな回避したんでしょうね。逆に言うと、ここにいる10名はある意味精鋭とも言えるでしょうw
宿泊客の構成は2名×3組、自分を含めて単独が4人。この単独4人で話が盛り上がり、山の話から色恋話まで多岐にわたるトークを散々繰り広げるまさかのハッピータイムを過ごした後、明日の天候が少しでもよくなることを祈りながら眠りにつきました。明日、降りられるかなぁ…
GITZO トラベラー三脚キット GT0545T+GH1382TQD
登山ついでに山岳写真を撮ることが多いんですが、やっぱ綺麗な写真を残そうと思うと三脚あった方がいいかな(自分のスキルは一旦棚上げ)というのと、5月に槍ヶ岳に行く予定なのでこれを機にいいのがあったら…ってのがきっかけでトラベラー三脚を思い切って購入しちゃいました的な話です。手持ちの三脚との比較もご参考までに。
今持っている三脚はManfrottoの7322CYというモデル。何のタイミングで買ったかも覚えていないが軽ければいいやってノリで4~5年くらい前に買ったもの。
余談ですがテン泊時の星空撮影は今までこれで頑張ってました。涸沢みたいにデカい岩にミニ三脚乗せられそうなポイントがあって、ミラーレス一眼であれば耐荷重オーバーですがなんとかこれでもいけます。
www.amazon.co.jp
選ぶにあたり今回重視したポイントは以下。
- 軽い
- 格納高が短い
- 耐久性
一生モノとまではいかずとも愛着持って使いたいので、コスト面は条件から除外。今の愛機はオリンパスのEM-5にM.ZUIKO ED 12-40mm F2.8 PROの組合せが多いので、今後300mmとか買ったと仮定しても耐荷重3kg以上であればとりあえずOK。
複数のショップで店員に相談したところ共通で候補に挙がったのがGITZO トラベラー GT0545T、GITZO トラベラー GT1555T、SLIK エアリーカーボン644の3つ。
それぞれのカタログスペックを比較した結果は以下の通り。(エアリーカーボンの重量は雲台込)
モデル名 | 全伸高 | 格納高 | 段数 | 耐荷重 | 重量 |
---|---|---|---|---|---|
GITZO トラベラー GT0545T | 1225mm | 365mm | 4段 | 10kg | 0.895kg |
GITZO トラベラー GT1555T | 1380mm | 355mm | 5段 | 10kg | 1.03kg |
SLIK エアリーカーボン644 | 1427mm | 469mm | 4段 | 3kg | 1.19kg |
耐荷重はどれもクリア、というかGITZOの耐荷重10kgがすごすぎ。
SLIKのエアリーカーボンは格納高が長いんですが、その分GITZOよりもスリムになっています。
耐久性という観点でエアリーカーボンの雲台が少々心もとないのとGITZOへの憧れみたいなのもありGITZOの2モデルで頭を悩ませる事に。
耐荷重は同じ。違いは格納高1cmの差、135gの重量差、全伸高155㎜の差と段数。コストは除外と言いながらも値段も15,000円以上GT0545Tが安い。
結構悩みましたが、軽さの点と運よく在庫があったのとでGT0545Tに決定。GH1382TQDという雲台がセットになった三脚キットを購入しました。
Manfrottoの7322CYと比較してみました。長さの違いは一目瞭然です。7322CYはトラベラータイプじゃないので当然ですが。
GITZOのサイトによると「従来のカーボンチューブよりも、硬質で、剛性が高く、しっかりとした画作りができます。Carbon eXactチューブは、高弾性の高いハイモジュラスカーボンファイバーを含み、チューブ系も太くなっています」とのこと。確かに脚がたわむ感じはありません。
ナット式のロックはトラベラーシリーズ独自のロックシステムだそうです。3つのロックは片手で一気に回すことができ、脚を伸ばす作業もスムーズにできます。7322CYのレバーは結構固いので、それよりはだいぶ楽です。
一番細い脚部分の太さも比較してみました。上が7322CY、下がGT0545T。写真では若干わかりづらいですがGT0545Tの方が太く剛性感も高いです。
三脚を立てるとこんな感じ。同じく7322CYと比較すると、全伸高では7322CYが上です。
目線の高さで見るとこれくらい差がありますね。
セットで付属している雲台は新設計のもので、畳んだ三脚の間にぴったりと収まるように設計されています。
カメラをセットしてみました。ミラーレス一眼程度の重量では全く不安を感じません。
純正のキャリングケースGC1202Tも同時購入しました。ほぼジャストサイズですね。1型まで対応しているんですが、1型だとパンパンになりそう。
直近で使うのは桜の撮影か登山での撮影かな、ガンガン使っていきたいです。
池袋 カレーは飲み物。
日本酒を買いに池袋西口側にある升新商店という酒屋にたまに行くんですが、その途中にあるカレー屋さんが気になってしょうがなかったので、酒屋に立ち寄りついでに行ってみました。
その名も「カレーは飲み物。」
ウガンダみたいな方が御用達のガチ盛系なんだろうか、黄色に黒字の看板って某ラーメン屋さんみたいに謎のコールとかあったりして一見さんお断り的な感じだったらどうしよう…
なんてことは全然ありませんでした。それどころか結構美味しかったです、変な妄想してすみません。有名みたいですねこの店。
メニューは「黒い肉カレー」「赤い鶏カレー」の二種類のみ。
ごはんの量によって「小盛」「中盛」「大盛」の三種類があって、万が一食べきれなかったら申し訳ないので今回は中盛をチョイス。ちなみに全て790円。
カレーにはトッピングが無料で3つ追加できます。10種類から選べます。
せっかくだから俺はこの赤の扉を選ぶぜ!じゃなかった、パクチー、ツナマヨ、フライドオニオンを選びました。
トッピングを聞かれてから1分とたたずにカレーとご対面。
ルーはよく煮込まれておりトロトロで、程よいコクで美味しいです。辛味はそこまででもなく中辛程度かな?ライスはサフランライスです。テーブルには粉チーズやタバスコも置いてあり、お好みでカレーにかけると味に変化が出てくるので最後まで飽きずに食べられます。中盛でも普通のカレーショップの大盛りくらいありそうな感じでした。これで790円はコスパ高いです!
カレーの種類は2種類ですが、トッピングの種類が沢山あるのでバリエーション豊富になるのはいいですね。
店名は女子が敬遠しそうなネーミングですが、カレーは結構美味いので男女問わずオススメです!
(ネタバレあり注意)原作小説が大好きな男がエヴェレスト−神々の山嶺を見に行ってきましたよ
頻繁に映画を見に行くタイプではないんですが、見てきました。
原作は夢枕獏の小説で、谷口ジローによる漫画化もされています。原作小説がすごく好きで、映画化するとどんな感じになるんでしょうねー?という期待半分その他半分で昨日鑑賞してきたので、自分が感じた感想をつらつらと。
いやぁ、山の映像綺麗でした。エベレストBCへ一度トレッキング行きたい!でもそんなまとめて休めないからGWあたりに北アルプスでも行こうかなぁ。それ以外のポジティブな感想は無いです。
(※以下、ネタバレ大量に含みます)
率直な感想を言うと、中途半端。
元々小説は上下巻で、阿部寛演じる羽生丈二や岡田准一演じる深町誠の人物描写が丁寧に描かれています。エベレスト山頂を目指す過程の描写も緻密でその両者が読者を引き込ませるが故に傑作小説となっているんだと個人的には思うわけですが、映画の尺の関係上、色々な部分がカットされていて、人物描写もエベレストへのアタック部分も消化不良の感が否めないです。
あと専門用語がやたら出てくる割には説明不足。鬼スラっていきなり言われてもわからんでしょう。野球オタなら鬼スライダーだと思うんだろうか。
【原作とのストーリーの違い】
グランドジョラスでの羽生の手記に関する部分は丸々カット!「きしよ。きしよう。」も無いです。なので、岸文太郎を死なせてしまった事への羽生の心の内面は描かれておらず、羽生が人の気持ちを全く考えられないクズ扱いです。まぁ表面的には合ってますけど。ていうかその手記を岸涼子が読んで羽生の岸文太郎への気持ちを知ったから付き合う事になったんじゃ?
深町がカメラを手に入れてからのストーリーも大きく違います。
映画では店主からカメラを買った直後に店にアン・ツェリンと羽生(映画ではビカール・サンではなくビサル・サルパという名前)が来てシェルパの仏具を盗むのが云々というくだりになって、その時に深町が買ったカメラもアン・ツェリンが持って行ってしまう、という流れ。
その後カメラに関する描写は無し。深町がホテルからカメラを盗まれることも無ければ、岸涼子が誘拐されることも無いし、カメラをめぐって羽生の妻のドゥマが襲われることも無し。ナラダール・ラセンドラも出てきません。最後まで深町の元にカメラは戻らずじまい。
エベレストへのアタックシーンは、映像が綺麗なことを除いて端折り過ぎ。深町が何の苦労もなく軍艦岩まで登っています。エベレストの過酷さが全く伝わってこない。谷川岳の方がよっぽどハードに見えた。食事シーンも無し。せめてハチミツの入った紅茶を飲むシーンは入れて欲しかった。
「結局、ノーマルルートで登頂をするということか…」の深町のセリフも無しです。
ネパールからの帰国後の深町の行動も、「日本じゃ大変なことになってるぜ」とはなっておらず、宮川の出版社に執筆することもカメラの公表もしていません(カメラが手元にないのでそりゃ無理か)。当然岸文太郎の死の真相もメディアに公表されません。あと岸涼子と深町は付き合って無いです。
深町が無酸素単独でエベレストに挑む部分も色々違っています。岸涼子は深町と付き合っていないけど何故かBCまでついてきています。大きく違うのはルート。原作ではチベットルートですが、映画はネパールルートの南東稜ノーマルコース。でもノーマルコースという説明は一切無し。山を知らない人が映画を見ると羽生の辿ったルートとの違いはきっとわかりません。羽生とマロリーの遺体を深町が見つけて、羽生の幻(?)からマロリーのザックの中にフィルムがあると教えられるも「もうどうでもいいんだ」とか言って深町はフィルムを持って帰りません。本当お前何しに来たの?って感じです。現代の史実に合わせようとするんであれば、せめて文庫版のストーリーに合わせれば良かったのに。
【人物描写】
羽生は結構いい感じでした。猛々しいオーラのようなものは出ていたんじゃないかと。阿部寛の役者としての力量なのでしょうか。ただ、グランドジョラスのシーンがあまりにもあっさりし過ぎ。先にも書いたように手記がカットされているので、羽生の内面があまり描かれず嫌な奴にしか見えないのが残念。
深町は色々と違和感あり。個人的には一番残念なキャラだ。「借金してまで来たから金が必要だ」「金を貸してくれ」等ゲスなセリフが多い。こんなクズキャラじゃないだろ。決して岡田准一の演技が悪いというわけでは無いです。脚本の問題。
ちなみに深町の元カノの加代子は出てこないので、深町の加代子への想い等は何もないしそれ以外の悶々とした心理描写もゼロ。なので深町が物語を通じて変わっていくのも伝わらないし、故に行動に一貫性が無いようにしか見えない。
あと、深町の登攀スキル高すぎ。原作では相当苦労して登っていたのに。実際に深町の登山技術に関する描写がなく、羽生と同じくらいのスーパーマンみたいな扱いに見えちゃいます。でも最後の単独行で途中で無線放り出しちゃったり、バラクラバもつけずに8,000mまで行ったりゴーグルとビーニー脱ぎ捨ててBCまで戻ってきたり行動が支離滅裂。そんなことしたら目が見えなくなるし凍傷で鼻と耳もげますよ。
岸涼子は後半が微妙。深町と付き合っていないのならBC行く必要ないでしょ。山に向かって「どれだけの人の命を奪えば気がすむの」的な事を言ってるのは完全に不要。原作ではそんなこと一言もいってない。完全にキャラが違う。というか山は何もしてません。人間が勝手に登って勝手に死んでいるだけ。そんな戯言を持ち込むような作品ではないだろうというのは原作読めば分かると思うんですが。これも尾野真千子の演技力ではなく脚本の問題。
アン・ツェリンはタイガーの称号を英国より授与されているベテランシェルパでシェルパ内での最有力者。という説明は全くなされていないので、神の裁きが、とか言っている変なおじいちゃんにしか見えません。ひどい。
長谷はなぜか生きている設定になっています。長谷がネパールで羽生と会っていた設定は無かったことになっていました。
宮川はいいですね。合ってる。最近のピエール瀧は本業が役者かと思うくらいですな。
【その他気になったこと】
設定は1990年代ですが、モンベルの最新のシェルを着ていたりビーニーをかぶったりしています。
深町はBCまで一人で歩いていたけど、BCキャンプ用の荷物はどう運搬したんだろう?
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映画に対してのネガティブな感想がネット上で散見されますが、個人的には同感です。原作ファンは怒るだろうし、原作知らない人は話が理解できない。無理して映画化しなくても良かったのでは?それか思い切ってエベレストへのアタック部分だけにフォーカスするとか?
あ、エンディングロールの山はすごく綺麗でした。カラパタールとかから撮影したんでしょうかね?ああ、エベレストBC行きたい。
目黒 立ち飲みBistro SHIN2
気軽に入れる立ち飲み系のお店、最近すごく増えてますよね。
そんな立ち飲み系ジャンルで毎日のように賑わっている店が、目黒にある立ち飲みBistro SHINとSHIN2。
目黒駅から権之助坂を下ること5分強にあるこの店は
- グラスワインの種類がたくさん、白・赤・ロゼ・白泡・赤泡なんでもあり!
- ワイン、食事ともにお手頃価格!
- 食べ物が美味い!
の3拍子揃っているお店で、何年も前から足繁く通っている超お気に入り。数件の店を挟んでSHINとSHIN2、店が2件あります。コンセプトはほぼ一緒ですが、SHIN2の方が泡酒の種類が豊富なのと魚料理気持ち多め。
21時過ぎに店に到着。平日でも人がいっぱい。平日は25時まで開いてます。金曜日は24時過ぎでも結構人がいます(自分調べ)。ちなみに土曜日は23時までで日曜・祝日は定休日。
まずは最初の一杯。お通しはサラダとハム。お通しはちょいちょい変わります。ワインは赤のスパークリング。豪産のカベルネ・ソーヴィニヨンです。昨年の秋くらいからレギュラーメニュー化していたはず。ボリューム感そこそこありながらも辛口でお気に入り。毎回最初にこれ頼んでいるので店員(複数名)に覚えられていますw
店内はメニューの貼り紙でいっぱい。
グラスワインだけでも一日では飲みきれない位の種類が。
ボトルワインも仏、米、豪、新、西、日など相当数。価格帯は3,000円台くらいから高いので7,000円台くらい?お手頃価格なのが多いです。
余談ですが個人的に好きな小布施ワインも置いています。ドメーヌタカヒコもあるんですよって以前店員が教えてくれた。いつか飲んでみたいなぁ。なーんて思いふけっている所に若干オタくさい学生グループが神の雫で読んだような薀蓄を振りかざしながらドメーヌタカヒコを開けていたのを見て軽くイラッとした事は去年の話で、じゃあお前も頼めよってだけの話で、店の話ともはや関係ないですねすみません。むしゃくしゃしてました今は反省しています。
ワイン以外にもビールとかウイスキーとかもあります。
続いで二杯目。また赤泡。同じく豪産でシラーズ。こっちはしっかりした味わいで肉料理にぴったり。そして90%以上の確率で二杯目がこれなので注文時に店員(複数名)に安定の赤泡ですねと言われるレベル。肉料理に合うと言いながら注文しているのはあふれフレンチポテト(550円)ですが。
料理も総じてレベルが高くボリュームもあります。これは海老とムール貝のビスクポタージュにオムレツをトッピングしたもの。オムレツがポタージュで隠れちゃってます。店員がおススメしていただけあり、美味い。
これはパクチー唐揚げ。その名の通り唐揚げの上にパクチーをどさっと乗せたもの。これ以外にもパクチーを使った料理は多いです。サラダ、オムレツ、パスタ、etc…
ジビエもあります。今はシカと猪が限定メニュー。これは前回食べたエゾシカのカツレッタ、においもなく美味しいです。
ちなみに 店内は全面禁煙。ノンスモーカーには大変ありがたい。吸いたい方は外に灰皿があるのでそちらで。
3~4人でわいわいやるもよし、一人でふらっと行くもよし。とにかく今回も満足でした。