hk miscellaneous notes

登山と旅行と日本酒と、あと色々雑記帳

サンタクロースエクスプレス乗車記

以前フィンランドに旅行で乗った寝台列車、サンタクロースエクスプレス。過去のブログでも触れているんですが、懐かしくなったので列車の紹介用として再編集。気になるけどどんな感じなんだろう?という方への参考になれば。


サンタクロースエクスプレスとは、ヘルシンキ~ロヴァニエミ(ケミヤルヴィ)間を結ぶ夜行列車の名称で移動時間は11~12時間(便によって多少違いあり)。自分が利用したのはロヴァニエミからヘルシンキまでの274便。

旅行者の大多数が利用するであろう寝台車輛は2階建てで、1階はトイレ・シャワー共用で2階は各部屋にトイレ・シャワーあり。値段もその分高め。とは言っても差額は5EUR程度だった気が。


ロヴァニエミ駅には余裕をもって2時間以上前に到着。駅自体はそれほど大きくはないです。ちなみに市街地からは徒歩で30分程度。
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待合室の隣にはレストランがあります。腹も減ったので軽食を取りつつ時間つぶし。ちなみにこのピザのトッピングはケバブです。フィンランドとかスウェーデンにはケバブ屋が割と多く、ケバブピザってのもあったりします。
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待合室からは改札手続きも特になくそのままプラットホームに出られます。日本とは違ってフリーダム。
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列車がやってきました。サンタクロースエクスプレスという名はついているもののサンタ感は特になし。
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指定の客室、25号車の213-214に向かうとカードキーが刺さった状態で客室は開いていたのでそのまま室内へ。ちなみに、25号車とかになっていますが実際に25両以上で編成されているわけではないです。通路は大きいスーツケースを持つと少々狭さを感じるレベル。
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客室内は正直広くは無いですが思った以上の清潔感。デザインもポップ。混んでいる山小屋に比べると天国ですなー
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トイレと洗面台。
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洗面台を手前に引っ張ると奥からシャワースペースが現れます。温かいお湯もちゃんと出ました。予想外に悪くないですこれ。
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ベッドには室内灯と時計、アラーム、ラジオにコンセント。スマホの充電も可能。飲料水も置いてありました。Wi-Fiも使えます。
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他の方のブログ等でも書かれていますが列車は音もなく発車します。発車時のメロディとかは一切無いので、とっとと列車に乗り込むが吉。
発車後しばらくすると乗務員がやってくるので、このタイミングで乗車チケットを提示すればOK。乗務員が27号車にバーがあるからねー、と教えてくれたので27号車に移動。

移動途中で見かけたドア。無駄にWi-Fiアピール。なぜかピンク色。なんだこれ。
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27号車は既に満員。食堂車というよりはカフェっぽい。ていうかフツーにセンスが良いでしょこれ。
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折角なので酒でも飲もうかなと思ったらすごい行列…とりあえず列に並んでみるものの10分経っても全然列が進まない。店員のおばちゃんが一人で頑張っているものの明らかに回ってない(笑)
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しびれを切らしたロシア人風の女性が、たまたま通りがかった車掌を捕まえる。

「できれば売店にヘルプを回してもらえない?さっきからずっと並んでいるのよ」
「え?どこからヘルプ回すの?」
「いやいやどこからって…誰かいるでしょ」
「今の時間は彼女ひとりのシフトだから誰もいないよ」
「…」

怒ってもしょうがないのでみんな諦めモード。一杯の酒を注文するのに20分は並んだな。
発車直後は客が集中するのでバーを利用したい方は要注意です。


ベッドの寝心地は悪くないです。シーツも綺麗。電車の揺れも少ないので、何度か目を覚ましたものの快適に眠ることができました。

朝食がてら再び27号車へ。夜とはうって変わり客は殆どいません。
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コーヒーとドーナツを注文。食器はイッタラ。おサレー。
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夜はごちゃごちゃしていて気付かなかった27号車の出入り口。熊出没注意。こんな所にも遊び心があっていいです。
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途中何か所か駅に停車しますが、アナウンスも何もないので知らないうちに止まり知らないうちに発車します。
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無事ヘルシンキに到着。延べ11時間程度の旅でしたが、しっかり睡眠もとれたので疲労もないです。日本では寝台列車もほとんど無くなってしまったので、旅行の日程に余裕がある方にはおススメです!!
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【シャレにならない痛さ】頭痛歴20年の男が群発頭痛って診断されました。

タイトルのまんまです。正確には群発頭痛の疑い濃厚、なんですが。正直凹みますねこれ。
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かれこれ20年程頭痛に悩まされている私です。複数の病院での診断結果としては「片頭痛」。こいつのせいで週末の予定が台無しになる事もしばしばでしたが、薬飲んで寝ればまぁどうにかなるレベル。

がしかし、今回は勝手が違いました…

  • 群発頭痛とは何ぞや
  • 診断までの経緯
  • 振り返ってみると
  • 対処法


 

群発頭痛とは何ぞや

とあるサイトの情報を抜粋すると、以下が主な症状だそうな。

・1~2か月の間に集中してほぼ毎日起こる
・痛みは15分から3時間続く
・必ず頭の片側が痛む
・目の奥がえぐられるような激痛
・目の充血や涙、鼻水などを伴うことがある
・痛くてじっとしていられない。動くと痛みが紛れる

※個人差はあると思います。痛くて暴れる人もいれば、ただひたすら耐えている人もいるでしょうし。


片頭痛との違いは、痛みの質。片頭痛は脈動性の痛みで、脈拍が上がると痛みも強くなる感じ。群発頭痛は脈とか関係なしに痛い。
痛みのレベルとしては、片頭痛群発頭痛両方を経験した立場の個人的な感覚だと


片頭痛「あぁ痛い…頭痛い気持ち悪い頭痛い気持ち悪い(以下ループ)」

群発頭痛「ぐああああぁぁぁ!!!!痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!もういやだ誰でもいいから俺を楽にしてくんがぁぁぁあああ!!!!」


くらい。(あくまで個人的評価です)


診断までの経緯

・とある土曜日の夕方に頭の左半分が痛みだす
・薬を切らしていたが痛くて動きたくないので頭を冷やして寝るが、こめかみの奥に激痛が走り涙が止まらなくなる。
・救急外来を嫁が探し救急外来へ。点滴で痛み止めを投入、痛みが落ち着いた時点で帰宅
・日曜日の夕方に再び痛み出し処方されたロキソニンを飲んでそのまま寝るも、早朝に痛みで起きてしまう
・再びロキソニンを飲んだものの痛みは引かず。無理矢理仕事にいくが午前中でリタイア。悶絶しそうになりながら都内の頭痛外来へ
イミグランを皮下注射、10分程で痛みはそこそこ治まる。その後MRIとレントゲンの検査。専門医の診断の結果、群発頭痛の線が濃厚との診断。レルパックスイミグラン点鼻薬、予防薬のベラパミルを処方される
・診断から3週間目。薬の成果中程度の頭痛は頻繁にあるもののヤバいやつはそうでもなし。そろそろ終息か? ←今ここ


医師の診断を要約すると、下記の点から群発頭痛の可能性が高いのではとのこと。
・救急外来に搬送されるほどの痛みの強さ
・鎮痛剤が効かない程のひどい痛みが3日間出ている
・痛みが下顎や頭部全体にも出ている
・鼻閉塞、涙目、充血、発汗が見られる


年間を通じて不定期に左頭部の痛みが出るのは片頭痛では?と質問をぶつけた所、「それはそれ、これはこれ」。片頭痛群発頭痛の両方の症状を訴える人もいるんだとか。あぁそうなんですか。だとしたら全然嬉しくない。一つだけにしてほしい。いや、一つもいらないや。

振り返ってみると


思い返してみると今までの頭痛の中でも、目の奥がえぐれる位の痛みは数年に一度あったような…日付までは正確に覚えていないものの、秋口が多かった気もする。もしかしてそれが群発頭痛だったのか?今となってはわからんけど。実際群発頭痛と診断されるまでに数年要している人もいるようで。

関係ないけど、イミグラン皮下注射の際に看護師から「この注射は痛いですよ」と言われたが、正直頭の痛みの方が強かったので大したことは無かった。注射の後に「痛くありませんでしたか?」と聞かれたので「これくらいなら平気です」と答えたら「強いですね」と言われた。もしかして痛みに鈍感なんだろうか。だとしても群発頭痛は無茶苦茶痛い。

対処法


予防薬としてカルシウム拮抗剤のベラパミルを処方されました。不整脈治療用の薬ですが、群発頭痛の発作を抑えるための予防薬としても使われます。
発症時の対処薬としてはトリプタン系の薬剤が使われます。自分はレルパックスイミグラン点鼻薬を処方してもらいました。

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レルパックスは痛くなり始めたタイミング、タイミングを逃してからは点鼻薬という使い分けをしています。特に点鼻薬は薬価がそれなりではあるものの、痛いと思ったら躊躇せず使う!点鼻薬は今のところなかなかの効き目。喉に流れてくる薬液は超苦いけど。


あれですね、頭痛は下手に我慢せず専門の頭痛外来に見てもらった方が良いですね。セルフチェックでもしかして群発頭痛なのかも?と思った方は尚更。脳神経外科とかだと、CTやMRIで脳に異常がない時点で片頭痛で片付けちゃう場合もあるし(個人的な過去の診断経験に基づく独断です、全ての医師がそうではないでしょう)、群発頭痛を知らない医師もいるので専門の頭痛外来をおススメします。


(後日追記)
結局イミグラン皮下注射も処方してもらいました。自分で太ももとか腕に打つやつです。痛いけど頭痛よりマシ。

2016/09/18 西穂~奥穂縦走(途中撤退) 2日目

1:30に起床。

雨音が聞こえる。風は部屋からはよくわからないが強そうだ。


前日に受け取った弁当を食べ、レインウェアの上下を身に着け、ヘルメットをかぶり黙々と準備をする。
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外に出るとそれなりに強い雨だが行けないことはない。まずは西穂独標を目指すことに。
2:30前に西穂山荘を発ち、一時間もせずに西穂独標に到着。風雨に加えガスも出ており視界は非常に悪い。
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雨が止む気配は微塵にも感じられないが西穂高岳頂上まで行って最終判断しよう。そう決めました。

狭い視界とひどい天候にもかかわらず意外にペースは悪くない。5:00前には西穂高岳の直下に到着。

頂上までの岩場が雨で滑るため注意を払いながら進み5:00過ぎに無事(?)登頂。
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見ての通りのコンディション。これでジャン越えを選択する人がいるとしたら会ってみたい!そして一緒には行動したくない!あとは天狗のコルまで行くか、西穂山荘に戻るか。行動時間の短い方=山荘に戻る方に決定。無念ではあるが自然が相手では仕方がない。撤退するのも経験のうち。

さて…戻るはいいが、頂上直下の濡れた岩場を今度は下る必要があるわけで。風速も20mを超えんばかりの勢い。先程の登りとは比較にならない位の緊張感。時間をかけて核心部を下り、足早に山小屋を目指す。西穂独標を過ぎたあたりから何組かの登山者とすれ違う。ちなみに西穂高岳まで行った登山者は我々だけだった。


7:00頃に無事西穂山荘に帰還。メンバー全員で思わずハイタッチ。いやぁ、どうなるかと思った!
身体が冷えてきたのでとにかく温かい飲み物が飲みたい。
食事スペースに入ったずぶ濡れの我々を見る宿泊者の顔は、皆「え?この雨の中どこまで行ってきたの?ていうか何時に出たの?」と言いたげであった。実際に何人かには聞かれましたけどね。


暖を取ったあとは、さっさと下山するが勝ち。ということで10時過ぎには新穂高温泉に下山。
その後温泉で疲れた身体を癒す。温泉は同じように西穂山荘から撤退してきた人たちで賑わっていました。


風呂の後は松本駅まで移動。松本駅近くで遅めの昼食。
山賊焼チャーハン。ボリューム満点でした。
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残念な結果ではあったが、西穂高岳までの状況やペースは判った。何より無事に戻れたことが一番の収穫。天気の良い日にリベンジしよう。

2016/09/17 西穂~奥穂縦走(途中撤退) 1日目

西穂高岳~ジャンダルム~奥穂高岳の縦走を計画、9月の連休に突撃してきました。
計画は以下の通り。9月は毎週のように台風が日本に上陸しており天候リスクはあるものの、昼までにジャンを抜ければ何とかなるだろうとの算段。

9/17(土) 前日夜から高速バスで新穂高温泉に移動、西穂山荘に宿泊
9/18(日) 未明に西穂山荘を出発、西穂高岳→ジャンダルム→奥穂高岳を経由、そのまま新穂高温泉に下山(時間次第では穂高岳山荘に宿泊)


バスは23:00に新宿西口の都庁大型バス駐車場から出発。3連休の前日なので人もいっぱい。
今回も前回の白馬岳と同じ3人パーティー。うち一人は新穂高温泉で合流予定。


バスは特に遅延や異臭問題もなく朝5:00過ぎに新穂高温泉へ。ロープウェイも動いていないしメンバー合流待ちのためしばらく待機。
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天気は若干雲がかかっているものの安定しています。明日もこれ位だといいんだけど。
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いくら待っても合流するはずのメンバーと連絡がとれず。あまりにも暇なので第2ロープウェイ近くにある露天風呂までロープウェイを使わず徒歩で移動。温泉入口からは30分程で到着したものの営業時間は9:30から。
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その間にメンバーから、新穂高到着は15:00との連絡が…
そんなに遅くて大丈夫?っていうか待っていてもしょうがないので先に山小屋に向かうことに。

登山前から温泉でサッパリという贅沢な時間の後にロープウェイに乗り、西穂山荘へ向かいます。
ロープウェイ終着の西穂高口駅から西穂山荘までは地図上のコースタイムでは90分。
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1時間程度で山小屋に到着。今日の行程はこれにて終了!!あとは飯食って明日に備えて寝るだけ!!
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宿泊手続きを済ませ、部屋に荷物を置いてから昼食へ。これは本日の宿泊部屋。
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西穂山荘はラーメンが名物なので味噌ラーメンとビールを注文。食事をしている人の9割近くがラーメンだった模様。
麺は細めでしっかりしており、なかなか美味。
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夕食までは何もすることがないので、ひたすらマンガタイム。西穂山荘は雑誌の種類が多く漫画もやたらいっぱいあります。山小屋定番の「岳」「孤高の人」を筆頭に、スラムダンクドラゴンボール。ツルモク独身寮まであった気が(うろ覚え)

昼寝もせずにドラゴンボールフリーザ編から最終巻まで読み終わったくらいの時間に残りのメンバーも無事合流し、明日に向けてのプランを再確認。

天気予報は午後から雨。
1:30に起床、出発2:00過ぎに小屋を発ち夜明け前には西穂高岳。昼前にジャン到着くらいのペースで行ければ雨が降る前に危険個所を通過できるでしょう。この時はそう考えてました。


夕方になり本日最後のお楽しみ、夕食タイム。アルプスの山小屋は食事のレベルが総じて高く毎回楽しみ。メニューはこちら!
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で、実際の食事もなかなか豪華。勿論美味しい!
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食事の途中に、気象予報士(!)でもある山小屋の支配人より、気になる明日の天気の情報が。

昼間の予報では明日の午後くらいから荒れる想定だったのが台風が近づいている影響で秋雨前線の先に温帯低気圧が発生、未明から風雨が強くなり午後には風速20m/sを超えるであろう。との事。

そうは言っても意外と雨降らないかも?と思いたいですが、残念ながら山のエキスパートかつプロの予報士が言う事です。疑う余地はありません。支配人に明日の当初の予定を伝えた上で相談した結果、「頂上まで行った時点で判断」となりました。

考えられるシナリオは
西穂高岳~ジャン~奥穂高岳
西穂高岳~天狗のコルから岳沢にエスケープ
西穂高岳ピストン
④西穂独標ピストン
⑤どこにも行かず下山

の5つ。

あとは考えてもしょうがない。早々に眠ることに。

食べ飲みある記 目黒とんき

いつからだ――
おれはいつからカツが食べたくなったんだ。
わからない。
どうしてこうまでしてカツが食べたいんだ?

食べればいい――
食べればいいじゃないか。
何を我慢している。
我慢する必要など、ないじゃないか――


「とんき」
気づくと目黒にある有名とんかつ店の前におれは立っていた。
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ドアを開けると、そこはすさまじい光景だった。

人。
人。
人。
人だかりだ。
客である。

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カウンターだけではない。脇にも待っている客。


室内を見回す。1階は清潔感のあるカウンターだ。狭くは無い。そして2階はテーブル席でそれなりに人も入るようだ。

なのに、なぜ――
ここまで混んでいるのか。
と、心の中で呟いた。

「ロース、ひれ、串、どれにしますか?」
そんな迷いなど無視するかのように、店員が問いかけてきた。

「じゃあ、ロースで」
「では、好きな所で待っていてください」

好きな所だと?
順番がわからなくならないのか!?
と思った。


まぁいいさ、郷に入っては郷に従えだ――


ほどなく席が空き、順番通りに座席に座った。
何の問題も、なかった。やるじゃないか。


改めて店内をじろりと見まわす。

店員。
何人いるのだろう。
10…いや、それ以上。
各々が違う役割を与えられている。
カツを揚げる。
カツを切る。
キャベツを盛る。
器を洗う。

動きに無駄がない。
まさに職人芸だな――
そう思った。


じゅわっ。
カツを揚げる上質な油の香りが鼻腔をくすぐる。

食欲――
そう呼ぶには荒々しすぎる何かがおれの中で、むくり、と鎌首をもたげた。
鎌首をもたげ、背を駆け抜けていく。背を駆け抜け、登って行く。

もう少しだけ待ってくれ。
もう少しだけ待ってくれ。
堪えるんだ。でなければ、おれはもう―――


その時、カツは現れた。
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はやる気持ちを抑え、がぶり、と喰らいついた。


カリカリした食感。
カリカリしているのは、衣だ。
普通のカツとは、違う。

厚みのあるロース肉も、いい。

肉。
肉だ。
おれの求めていた、肉だ。

しゃきしゃきしているをキャベツを頬張る。

「キャベツのお代わり、いかがですか」
「お願いします」

店員は、にぃっ。と笑った。


豚汁をすする。

ずずっ。
ずずっ。

美味い。
止まらない。
止まらない。


「すみません、豚…」
「はいかしこまりました、お椀一丁!」

また、店員は、笑った。



心地よい時間だった。
そう思った。


「ご馳走様」
全てを平らげ勘定を済ませた後、そう呟いて、帰路についた。


夢枕獏風)

2016/8/7 宮古島Day4

宮古島最終日。日は出ているものの分厚い雲も見えており不安定な気候。雨降らないといいんだけど。

朝食はホテル内のビュッフェ。まぁいわゆるフツーのビュッフェ。写真はなし。


飛行機はJALの直行便。19:40宮古発なので17:00頃にレンタカーを返却すれば問題なし。
本日の計画は海でスノーケリング→昼食→(海)→温泉→空港で決定。

最初の海を東側の吉野海岸or新城海岸にするか水納島の池間ブロックにするかでしばし熟考の末、水納島に向かうことに。

早々とチェックアウトを済ませ車に乗り込むと、運転席に蜘蛛の巣が。


軍曹…


ホテルから水納島までは約一時間ほど。水納島に上陸して10分もかからず池間ブロックに到着!
はいいんですが、タイミング悪くスコールが。雨が止んだタイミングでビーチに降りてみると…
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ダメだこりゃ。(写真ではイマイチ伝わりづらいけど)波も高いし水も濁っていて潜れる状況ではないので作戦練り直し!
波が穏やかそうでスノーケリングできそうな場所で考えた結果、早目のランチ→イムギャーマリンガーデン→シギラ黄金温泉 に作戦変更。

というわけで、ランチは水納島の近くに位置する「すむばり」へ。ここは島タコ料理の店として有名でなので勿論タコ料理を注文。
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磯丼。タコが非常に柔らかく、とても美味しかったです。
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ここから一気に初日の宿付近まで移動し、イムギャーマリンガーデンへ。
ここは入り江のようになっているそれほど大きくない海浜公園で、波が荒れている日でもここは穏やか。
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おすすめポイントはちょうど海に出る辺りにある橋の下周辺。水深5m強程度ですがクマノミが多数生息していました。
橋の上から飛び込む人がちょいちょいいるので潜るときには要注意。


幾つかポイント周りましたが、どこも海が綺麗ですねー。宮古島最高。


ひとしきり遊んだあとは汗を流しに日本最南端の天然温泉、シギラ黄金温泉へ。心なしか入り口もギラギラw
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着替えを取り出そうと車のトランクを開けると自分のバッグに軍曹が!一日半ぶりのご対面。
再開を惜しむ間も無くそのまま車の外に移動してどこかに行ってしまいました。強く生きていくんだぞ。

風呂上がりのフルーツ牛乳、ではなくローカル色満点なコイツ。味は普通の乳酸菌飲料でした。
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その後レンタカーを返却し宮古空港へ。離陸まで時間もあるのでA&Wで時間つぶし。
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オリオンビールの生も売っていていい感じ。
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また来たいな宮古島。次回はホタルが見たい!

2016/8/6 宮古島Day3

昨晩寝る前に気づいた事がある。
宿泊料金の支払いって現金のみだっけ?調べてみると案の定カード使用不可。そして手持ちの現金を確認すると見事に足りない。ATM行って現金引き出してくるしかないわけで。やれやれ。


というわけでAM5:30過ぎに起床。朝食の時間までに車でコンビニのATMに行って現金を引き出してくることにした。


朝日と心地よい風が気持ち良い。誰もいない中独り車を走らせる。思わず笑みがこぼれる。時折おもむろに車を停め、カメラに風景を収める。
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サトウキビ畑。
我が物顔で歩道を占拠するヤギ。
スコールの後突如現れる虹。

ああ、たまらなく幸せだ。

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移動中の突然のスコールでさえ楽しく感じる。ある一角だけ雨が降っており、そのエリアをはずれた瞬間に晴れ間がさす。そんな自然とのやり取りを車越しではあるものの独り楽しむ。


宮古島は人同士の距離感や自然との共存の感覚がとても心地良い。初めて来た宮古島だがとても気に入ってしまった。また来たいな。いや、来年にでも来たい。まだ東京に帰ってもいないのにそんなことを考える。

…って、お前誰だよ?みたいな感傷に耽りつつ7時前には何事も無いように宿に帰還。


今日の朝食は昨日とは変わって琉球料理。

島唐辛子とウコンをそれぞれ練りこんだ沖縄そばをつけ麺で。
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色々な琉球料理が綺麗に盛り付けられています。どれも美味しく頂きました。
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ここの宿とも本日でお別れで今晩は別の宿。色々お世話になったオーナーにお礼を言い、またこの宿来たいなぁと思いを馳せながら車のドアを開けたその瞬間、何かが車の中に入り込んだ。


その正体は某ネット界隈で「軍曹」と呼ばれているアイツ。マーズランキング9位のベースのアイツ。
通称、アシダカグモ

小型の虫ならともかくでけーよ、でかすぎるよ!こんなん運転中に足とか登ってきたら事故るって!
と思って車内をくまなく探すものの一向に姿を見せず。

臆病なので自分から人前に出てこないし噛みついたりしないですよ、とオーナーは意に介さず。



出てこないし、もう、いいか…
(なお最終日の午後までずっと車の中にいた模様)



ちなみにお世話になったRENNはこんな感じの部屋です。3部屋あり、おそらく同様のレイアウトと思われます。
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お洒落な洗面所。
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バスタブはなくシャワーのみ。天井はガラス張りで解放感があります。
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部屋は二階部分にあり、一階は共用スペース。
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雰囲気としては、バリとかタイのリゾートヴィラみたいな感じです。虫とかヤモリとかの出具合も南国のそれ。
虫が苦手!!ヤモリ怖い!!みたいな方は別のホテルにした方がきっと幸せになれます。

ゆる〜い時間をのんびりと過ごしたい。という方にはとても良いんじゃないんでしょうか。個人的にはどストライクです。


今日こそは海!

まずは与那覇前浜ビーチへ。若干雲が厚くかかりあいにくの天気ではあるものの、砂浜が綺麗で遠くに見える来間大橋のビューも絶景。本日の目的地はこちらではないので15分程度で移動。


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伊良部島の手前、伊良部大橋。絶景!!
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いやぁ、絵になりますな。
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伊良部大橋を渡ってから車で約15分程で本日の目的地、中の島ビーチに到着。
スノーケリングを楽しんでいる人がいます。
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浜に近い辺りでも魚はいましたが、奥の方にある小島の周辺付近にクマノミなどの魚が多くいました。
スマホで撮影を試みたものの、うまく撮影できず。
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昼過ぎのタイミングでスコールが降ってきたので、この時点で終了。腹も減ったので昼食へ。
伊良部島の北東、佐良浜港にある魚市場いちわという店で桶盛り丼を。
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その後本日の宿、ブリーズベイマリーナへ。
多少設備の古さは見えるものの、部屋には洗濯機も付いているので水着の洗濯、乾燥も出来るのはナイス。ベランダからの眺めもナイス。
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夜はホテル内にある、宮古牛のステーキが食べられるレストランへ。
値段は少々張るものの、脂身もほどほどの美味しいステーキでした。
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明日は最終日。雨だけは勘弁してほしい。